インコタームズ 輸出者の費用負担って??
資格学校元LEC通関士、貿易実務検定講師のJamesです。
インコタームズで輸出者の費用負担ってありましたよね。
それって、輸出者が運賃とか保険の費用を負担することですよね。
輸出者ってそんなにお金持ちなの? 輸出者ってそんなに景気がいいの?
既にご存じであるならば全く問題はないのですが。。。
C級試験が終わって自己採点で合格基準点に達しているかたにぜひ読んでいただきたい記事です。
せっかく合格したのに間違って理解していると、笑われてしまいますよ。
輸出者、輸入者が頻繁に出てくるのでゆっくり理解しながら読んでくださいね。
目次
インコタームズ 輸出者の費用負担って??
例えば、下のCIFの場合は、輸出者が費用を負担するのは、輸入港までの運賃と保険料ですよね。
(ふみさんブログ 貿易事務の世界 IMPORTER’S WORLDより引用)
ここまでは試験前にたくさん勉強したから理解できていますよね。
![たかしくん](https://james2019.com/wp-content/uploads/2019/11/グラフィックス1 新入社員 男一人.png)
輸入港までのCIFを負担するとかなりの金額になるので、お金持ちじゃなければできないよね。
![James](https://james2019.com/wp-content/uploads/2019/11/グラフィックス1-james-最小.png)
![たかしくん](https://james2019.com/wp-content/uploads/2019/11/グラフィックス1 新入社員 男一人.png)
![James](https://james2019.com/wp-content/uploads/2019/11/グラフィックス1-james-最小.png)
輸出者が輸入港までの費用を負担してくれるから、輸入者はお金がかからないの???
輸出者は商品をつくって、輸入者に売る。
でもインコタームズのCIFでは、輸出者は輸入港までの費用である運賃、保険料は負担する。
っん? インコタームズで費用の負担ってどういうことなの?
輸出者の費用負担は輸入者の代わりに立替えるということ
ズバリ!!
輸出者が費用を負担するというのは、輸入者の代わりに立て替えるということなんです。
輸出者が費用負担したものは、輸出者が輸入者に請求して最終的には輸入者が負担するんです。
![たかしくん](https://james2019.com/wp-content/uploads/2019/11/グラフィックス1 新入社員 男一人.png)
輸出者はずいぶん気前がいいなぁと思ってた。輸出者は費用負担したものを輸入者に請求するの?
輸出者はそんなに気前がよくないですよ。
仙人じゃないんですから。
![James](https://james2019.com/wp-content/uploads/2019/11/グラフィックス1-james-最小.png)
それはそうですよね、
輸出者は輸入者が商品を買うって言っているから商品を作り、発送するんです。
そのために運賃、保険料がかかるのならば輸入者が支払うのが当然ですよね。
輸出者はどうやって輸入者に請求するの?
輸出者が立て替えた費用は輸入者にどうやって請求するんでしょうか?
代金決済の問題になりますね。
例えば、輸出入者の契約がこんな感じだとします。
輸出者:JAMES CORPORATION Detroit, U.S.A.
輸入者:花形モータース㈱ 東京都港区
商 品:Motor Vehicle “JAMES GT-R”
個 数:1unit
価 格:CIF US$100,000.00
インボイスは誰が作りますか?
輸出者のJAMES CORPORATIONですね。
輸出入者の契約でインコタームズは、CIFになっていますね。
するとインボイスの金額の箇所は下記のように記載されますよね。
Description No of pkg Unit price Amount
CIF TOKYO
Motor Vehicle “JAMES GT-R” 1 Unit US$100,000.00 US$100,000.00
上記のUS$100,000.00には商品代金に加えて、
輸出者が輸入者の代わりに立て替えた輸入港(東京)までの運賃と保険料が含まれています。
だから「CIF TOKYO」となっているんですよね。
インボイスは輸出者が作りますね。
輸出者は船積み後に船積み書類と合わせて、このインボイスを輸入者に送ります。
インボイスを受け取った輸入者はインボイスに記載されている金額$100,000.00を輸出者に支払うために送金するんです。(L/Cの場合は銀行系由で送金ですね)
それはそうですよね。
輸入者は輸出者から商品を買っているのですからお金を払う必要がありますよね。
インボイスは、輸出入の通関にも使用しますが、実は輸出者が輸入者に発行する請求書なんです。
従って、輸出者は商品代金と輸入者の代わりに立て替えた運賃、保険料を加えてインボイスの金額にして輸入者に請求するんです。
ですから、輸出者が輸入港までの運賃、保険料を負担するというのは、輸入者の代わりに一時的に立て替えて、その後、インボイスで輸入者に請求するということなんです。
なんでFOBとかCIFとかいろいろあるの?
そうですよね。
全部CIFに統一すれば輸出入者も混乱しないし、貿易実務検定試験も簡単になると思うのですが、いろんな事情があるんです。
例えばこんな場合はどうでしょうか。
![ゆきちゃん](https://james2019.com/wp-content/uploads/2019/11/グラフィックス1 女子社員 一人.png)
JAMESさんよろしくお願いいたします。
自動車の日本への輸出は頻繁に行っていますので我々が安くて安心な船会社の選定をして、提携している保険会社にも申し込みをいたしますよ。
![James](https://james2019.com/wp-content/uploads/2019/11/グラフィックス1-james-最小.png)
![ゆきちゃん](https://james2019.com/wp-content/uploads/2019/11/グラフィックス1 女子社員 一人.png)
では、東京までの運賃、保険料込みの価格をお知らせくださいね。
これは、輸入者が貿易について詳しくない場合で、経験豊富な輸出者に船会社、保険の選定をまかせて契約がCIFになる一例です。
では、次にこのような場合はどうでしょうか。
![たかしくん](https://james2019.com/wp-content/uploads/2019/11/グラフィックス1 新入社員 男一人.png)
では、早速、運賃、保険料も合わせてお見積りをいたしましょう!!
![James](https://james2019.com/wp-content/uploads/2019/11/グラフィックス1-james-最小.png)
![たかしくん](https://james2019.com/wp-content/uploads/2019/11/グラフィックス1 新入社員 男一人.png)
というように輸入者が貿易をよく知っている場合はこんな感じでしょうね。
ちょっと極端な例かもしれませんが、このような様々なパターンによりインコタームズが確定していきます。
まとめ
インコタームズで輸出者が費用負担した金額は、輸出者が一時的に立て替えて、その後、輸出者が輸入者に請求するということなんです。
試験ではここまで出題されませんので知らなかった、あるいは考えてもみなかったという方もいるかもしれません。
またインコタームズの種類をたくさん覚えたと思いますが、そもそもなんでこんなにたくさんあるの? どういうときにそれぞれを使うの?なんてことも不思議だったかもしれません。
でもこれも試験では出題されないので不思議のまま通過していったことと思います。
ですが、これを知らないと現場でスムースに処理ができないこともありますので注意してください。
インコタームズの試験対策としては下記をご覧になってください。
めんどくさそうで、覚えにくいインコタームズが本試験でどのように出題されているか、
そしテキスト、参考書には載っていないインコタームズの覚え方を記事にしています。
得点UPには間違いないです!!