元LEC講師が分析する貿易実務検定C級 合格率と勉強方法
元LEC通関士、貿易実務検定講師のJamesです。
今回は、貿易実務検定C級の合格率を直近3年間と全81回を分析して、これから受験する社会人、大学生のために合格するための勉強方法をお伝えいたします。
他のHPで貿易実務検定C級の合格率について投稿しているのを見ると「C級は簡単だ」、「誰でも合格できる」と簡単に書いてありますが、私はそれ以上に過去の合格率を分析して、その結果、合格するにはどのように勉強をすればよいかを記事にしてみました。
ぜひ参考にしてください。
目次
貿易実務検定C級 合格率
まずは、直近3年間の合格率を記載します。
《直近3年間の合格率》
試験回 | 開催年月 | 受験申込者数 | 実受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
---|---|---|---|---|---|
第81回 | 令和元年12月 | 1,842名 | 1,575名 | 1,029名 | 65.33% |
第80回 | 令和元年10月 | 1,509名 | 1,284名 | 924名 | 71.96% |
第79回 | 令和元年7月 | 1,779名 | 1,528名 | 841名 | 55.04% |
第78回 | 令和元年5月 | 1,368名 | 1,064名 | 681名 | 64.00% |
第77回 | 平成31年3月 | 2,049名 | 1,722名 | 911名 | 52.90% |
第76回 | 平成30年12月 | 2,009名 | 1,792名 | 1,099名 | 61.32% |
第75回 | 平成30年10月 | 1,569名 | 1,271名 | 750名 | 59.00% |
第74回 | 平成30年7月 | 1,770名 | 1,467名 | 805名 | 54.90% |
第73回 | 平成30年5月 | 1,270名 | 957名 | 528名 | 55.20% |
第72回 | 平成30年3月 | 2,154名 | 1,711名 | 999名 | 58.40% |
第71回 | 平成29年12月 | 2,245名 | 1,833名 | 920名 | 50.20% |
第70回 | 平成29年10月 | 1,731名 | 1,386名 | 745名 | 53.80% |
第69回 | 平成29年7月 | 1,763名 | 1,450名 | 830名 | 57.20% |
第68回 | 平成29年5月 | 1,238名 | 957名 | 443名 | 46.30% |
第67回 | 平成29年3月 | 2,158名 | 1,782名 | 1,034名 | 58.00% |
(引用:日本貿易実務検定協会HP)
昨年12月実施した貿易実務検定C級試験は第81回目となります。
その際の合格率は、65.33%です。
合格された方、おめでとうございます!!皆様の頑張りによってかなりの合格率になっています。
全81回分の合格率は日本貿易実務検定協会のHPに記載がありますが、
そこに記載してある平均合格率は、54.84%です。
そして上記の表では直近3年間15回分の合格率をまとめました。
直近3年間の平均合格率は57.57%です。若干、直近のほうが合格率が良くなっています。
合格率でわかること
前記のような合格率よりわかることをまとめてみます。
- 受験生が取れる問題を確実に取っている。
1-1. 出題される頻出箇所を把握していること。
1-2. 不得意の分野をさまざまなテキスト、参考書等で補強して実力をつけている。 - 極端な合格率の変動はなく、ほぼ安定している。
2-1 難易度がある程度平均化している。
解説しますと、
受験生が取れる問題を確実に取っている
C級は合格基準点が満点の80%というかなりの正解率でないと合格できません。
限りのある勉強時間内に高得点を取るためには、テキストの隅から隅まで覚えるのではなくて試験に出題される頻出問題を把握をして、得点を取るための有効的な時間の使い方をして合格に達しているかと思います。
また最近は数多くの貿易実務検定の参考書などが販売されていますので不得意分野、あるいはイメージが付きにくい箇所についてはそれらを利用して得点を取っているかと思います。
極端な合格率の変動はなく、ほぼ安定している
現在の合格率はおよそ50%後半から60%前半に収まっています。
では49%以下の低い合格率と70%以上の高い合格率の回数を上げてみましょう。
まず、前記の表の直近3年間では、
合格率
49%以下 ー 1回
70%以上 ー 1回
では、直近5年間ではどうかというと、
合格率
49%以下 ー 2回
70%以上 ー 2回
以上のように低い合格率、すなわち難しい問題の試験は滅多にありませんので安心してください。
また高い合格率すなわち簡単な問題の試験も滅多にありませんので気を抜かないように注意していきましょう。
現在のような合格率に落ち着くまでには下記のようなこともありました。
第8回 H12年12月 合格率30.80% 不合格率69.20%
第9回 H13年 3月 合格率67.20% 不合格率32.80%
たった1回の試験で合格率と不合格率がほぼ逆転してしまっています。
この原因は、貿易実務検定C級の試験が始まった当初であるので、まだ試験問題の出題傾向、難易度も確立していなかったことであると思います。
以上の経緯がありますが、前述のように現在の合格率はおよそ50%後半から60%前半に収まっている傾向です。
時期的な合格率
この情報はあまり試験対策とは関係ありませんが、試験傾向としてお知らせしておきます。
現在、C級試験は年5回あります。
直近3年間と全81回分の年5回の各平均合格率を算出しましたので見てみましょう。
3月 | 5月 | 7月 | 10月 | 12月 | |
直近3年間 | 56.43% | 55.17% | 55.71% | 61.59% | 58.95% |
全81回 | 53.60% | 56.48% | 52.50% | 59.95% | 56.03% |
合格率が一番高い時期は10月なんですね。これは学生さんでも社会人の方でも夏休みを利用して勉強しているのと、学生さんは来年度の就職活動に向けて資格を取っておこうという時期なのではないでしょうか。
表にはいたしませんが、受験者数は、年度後半に向けて多くなっています。
学生さんも社会人の方もでも今年度中になんとかと合格しようということなのでしょう。
勉強方法
合格率60%前後ですと、この試験は誰でも合格する、っと思いますが、実はそれほど簡単なものではありません。TOEICが高得点の方でも貿易特有の単語を知らないと解答にたどり着けません。
ですから、安易に考えて受験すると不合格の40%前後のチームに入ってしまいます。
前述いたしましたがC級試験の合格基準点は満点の80%とかなりの高得点が必要です。
合格するためにはその高得点を取る必要がありますが、
合格率は約60%と高い数字です。
なぜ満点の80%という高得点を取らなければいけなのに、合格率が60%もあるのでしょうか?
ここからが重要です!!
私は以前にLECで通関士、貿易実務検定の講師や問題作成をしていましたが、受験生の得点を上下させるのは簡単なんです。
テキスト、過去問に書いてあることを出題すれば得点は上がりますし、
書いていないことを出題すると得点は下がります。
何が言いたいかといいますと、
貿易実務検定C級においては、
テキストそして過去問に出題されているものが本試験で出題されています。
ですから、受験生はテキスト、過去問で勉強しているので高得点が取れるのです。
であるならば、これらの教材を使用して勉強すれば合格できるということになります。
そこで、合格するための重要なポイントを書きだします。
- テキストと過去問は同時並行で進めること。
- テキストを読んで理解したところはすぐに過去問で解いてみること。
- 過去問を解くことにより、本試験の頻出問題を把握すること。
- 誰でも解けるような問題(頻出問題)は必ず解けるようにすること。
基本は過去問です。過去問は文字通り過去の本試験で出題された問題です。その問題が解ければ合格できるようになります。「過去問の重要性」はこのブログにも記載があるので読んでみてください。
また、英語が得意でない方で試験に挑戦する方はこのブロクで「各英語問題の対策と勉強方法」を記載してありますのでこちらも必ず読んでみてください。
「過去問は最高のテキストであり、最高の参考書である!!」
これは資格試験の勉強方法の鉄則です。
貿易実務経験無しでテキストを購入せず過去問だけで合格した無茶な資格マニアもいたくらいです。それだけ過去問は重要であり、合格への近道です。
まとめ
貿易実務検定C級の合格率を直近3年間、そして全81回分を分析してみました。
まとめてみますと下記のようになります。
・現状の合格率は60%前後である。
・受験生が取れる問題を確実に取っていることがわかる。
・極端な合格率の変動はなく、ほぼ安定している。
・合格するためには過去問中心の勉強が必要である。
文中にも記載いたしましたが、このブログの他の記事にも勉強方法を記載してありますので参考にしてください。
では、次回の合格を目指すために時間を有効に活用して頑張っていきましょう!!
全81回分を分析されているので、説得力を感じました。
この分野では、公的資格の日商ビジネス英語検定が低調なので、この検定が高く評価されているように思います。過去問、そしてオフィシャルテキストも必携かもしれません。